安室ちゃん。初めて親に買ってもらったCDがあなたの「You’re my sunshine」と「Chase the Chance」でした。当時わたしは9歳だったかな。カラオケを覚えたての頃はこの2曲をよく練習しました。難しかったなあ。同時期にヒットしていた「Don’t wanna cry」はちょっと大人っぽい曲だったからそのときはよくわからなかったけど、後から聞いて大好きになったよ。「SWEET 19 BLUES」も好きだし、リアルタイムで追いかけ始めた「I HAVE NEVER SEEN」、「SOMETHING ‘BOUT THE KISS」「PLEASE SMILE AGAIN」の時期の曲たちも大好き。
なかでもいちばん好きな歌は「RESPECT the POWER OF LOVE」。悲しい事件をワイドショーで見ているときに一緒に流れていて、笑顔で荒野を歩いて歌っているあなたが好きだなあと思ったものです。すこしお姉さんのファンが多いあなたは、わたしからは背中さえ見えなかった。ただ笑顔だけが見えていた。
「Say the word」で作詞を手がけ、自分の道を歩み始めるあなたがよくわからなかった。それはわたしの世代には浜崎あゆみがすでにそれをやっていたから。だけど、わたしが「Daybreak」という曲以後の浜崎あゆみに感じていたことと同じように、あなたのターニングポイントがあの曲だったんだね。いまなら、自立を選んだあなたの決断の苦しみがわかる。正直言うと「Baby Don’t Cry」がヒットしたことはあまり腑に落ちていなかった。だけどその頃わたしは20歳で、いまは31歳。あの励ましのような歌詞を歌うあなたを、人々が求めた意味がいまならよくわかる。遅くなってごめんなさい。

今年になってからあなたのベストアルバムを聴く機会に恵まれました。「PARADISE TRAIN」の甘酸っぱさにきゅんとしたり、「How to be a Girl」のglobe性に驚いたり。でもいまではやっぱり「Hero」や「Finally」にグッときてしまう。ファンのみんなを愛して、ファンのみんなに愛された安室ちゃん。いつも人を励ましたり送り出したりしていたけれど、遂に自分が旅立つ歌を歌ったんだよね。

40歳からのステージはどんなものになるのか、不安はないだろうなあ。達成感と期待でいっぱいなのかなあ。あなたに会うことが一度も叶わなかったことがすこしだけ心残り。何故ならわたしの10代、20代にも鳴った歌が必ず存在しているから。だけどそんな過去のことには重きを置かず、引退という決断をしたあなたはやはりかっこいいと思う。これからのあなたはますます輝き続けると確信しているし、幸せに過ごされることを心より願っています。たくさんの素晴らしい歌を、パフォーマンスを、思い出をありがとう。