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1/24、幕張メッセイベントホールにて「黑ミサ BIRTHDAY」を観た。HYDEが毎年富良野でおこなっているFCイベントの会場を、東京に移したアコースティックコンサートである。富良野でおこなわれる「黑ミサ」は、彼個人のFCに入っていないこともあって縁がなく、前回の幕張公演は仕事の都合がつかず泣く泣く諦めたので、今回が初めての黑ミサ体験だった。

彼がいま歌いたい歌をセレクトしたというセットリストは、彼名義の歌ばかりではない。彼が所属しているモンスターバンドの歌もあれば、彼が終わらせることを選んだ仲間たちとの歌もある。また昨年末の歌合戦で披露されたコラボ曲や、平成の冬を代表する名曲のカバーも名を連ねていた。どの曲にもアコースティックアレンジが施されており、いままで曲に対して抱いていたイメージが新たに生まれ変わる曲も多かった。それは彼が、歌に対する想いを年々増していることがひとつの要因ではないだろうか。

この日彼が響かせた歌は、彼の人生が透けていた。
ヴォーカリストとして生きてきた人生、故郷がある人の人生、仲間がいる人の人生、もう会えない人がいる人の人生、愛する人の幸せをこれから先も願う人の人生、仲間との別れを悲しむことができる人の人生…。
いまとなってはプロフェッショナルとしてステージに立っていることが当たり前となった。ただし今回に限っては普段のライブで観ることのできない、感情が表出することを厭わない生身の覚悟に圧倒された。それは決してプロフェッショナルを感じないわけではなく、むしろ真逆の佇まい。自身が歌うための空間を支配するたったひとりの指揮者。すべてのまなざしが彼に注がれる。しかし何人も彼にはさわれない。これがHYDEだ。

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