常識が覆ることが普通の状態になってしまったへんてこな年も、いつしか人生の1ページになる。何十年後かから2020年を振り返ったときに、わたしはこんな年に、この曲たちを聴いて歌って過ごしていたんだと思い出せるよう、10本のメロディーフラッグをここに差す。


10位「溶けない」マカロニえんぴつ


9位「sakayume」澁谷逆太郎


8位「僕のままで」向井太一


7位「東京にて」ヒグチアイ


6位「へでもねーよ」藤井風


5位「焼ける川」鬼束ちひろ


4位「Utopia」AAAMYYY


3位「極彩 IGL(S)」ROTH BART BARON


2位「Time」宇多田ヒカル


1位「落日」森山直太朗
 

音楽番組にて、野外で「落日」を歌う森山直太朗を見たとき、思わず泣いてしまった。

生きていた、同じ空間を、同じ時間を過ごしたあなたとの、現在。あなたの存在こそが、わたしの輪郭を形作っているというのに。あたりまえに共に過ごしていたからこそ、語りかけることでしか不在を確かめられない。事実は真実味をもたず、わたしはまだあなたを想っている。

人が人を想うことこそが愛である、それを、夜の周りになんにもない場所でピアノ1本で歌う演出は見事だった。幾つものパラレルワールドの中から、私たちが歩む2020年が、臨終の際に看取ることさえ叶わないことが起きてしまうこのルートだったからこそ、「落日」の切実さがリアリティを持ってしまった。


2020年を振り返ると、わたしのモードはずっと低温だったけど、 思い返すとそんなに悪い記憶ばかりではなかった。自分の内側をよく観察し、これまで以上に対話することができたことで、自分の本当に欲しい、やりたい、好きなものについて、あらためて理解し直していくようになった。8月を終えるまで、東京で生きる自分に、本意ではない厳しい条件付けをしすぎていたと反省している。
2021年はさらに力を抜いて、自分が違和感を感じることはしないよう、自分との対話をさらに深めていきたい。好きな場所で、好きな生き方をできる限り取り入れていく。そしてMMXXの雪辱を果たすべく、できればラルクの30周年ライブに行きたい!!!カウントダウン放送に向け、WOWOWは入りました!!!
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2020年がやっと終わる。この1年が長かったのか短かったのか目まぐるしかったのかなにもなかったのか、意味づけをしようとすればするほど、細く暗い道に迷い込んでしまうので考えることはしないし、被災直後と同じように、すこし時間が経ってから整理をつけていく種類のものだと思う。
以前の生活を送れなくなってしまったことで、少なくとも自分のなかのなにかが変わってしまった。怒涛の情報の洪水に溺れ、生きていくべき指針や自己の輪郭の揺らぎまくった時期に、ふと立ち止まる居場所をつくってくれたのはこの音楽たちだった。


10位『THE PARK』赤い公園
THE PARK (通常盤) (特典なし)
4月リリース。
この作品のおかげでどうにか夏を越せたと思う。永遠に残るポップネス。


9位『SAWAYAMA』RINA SAWAYAMA
Sawayama
4月リリース。
ゴージャスで近未来的。だけど近未来のビジョンが変わってしまったな。


8位『TITY』BREIMEN
ティティ
2月リリース。
GRAPEVINEの変態な部分を抽出したようで癖になる。 


7位『From DROPOUT』秋山黄色
From DROPOUT (初回生産限定盤) (DVD付) (特典なし)
3月リリース。
不思議な名前のソロシンガーが増えすぎてよくわからないけど、秋山黄色だけは覚えた。 


6位『Manic』Halsey
Manic (Deluxe)
1月リリース。
デビュー以来聴いてきたHalseyが、遂に傑作を生み出してくれたよろこび。


5位『POWERS』羊文学
POWERS (DVD付) (特典なし)
12月リリース。
ちょっと低めで湿り気がある伸びやかなボーカルがいい。イツエを聴きたくなっちゃうな。


4位『evermore』Taylor Swift
evermore [album deluxe edition CD]
12月リリース。
コロナ禍における閉塞感や、手ざわりのあるものを大事にしたいような、いまのわたしが感じている感覚に最も響いた作品。


3位『極彩色の祝祭』ROTH BART BARON
極彩色の祝祭
10月リリース。
リモートワークで習慣になった午前中のJ-WAVEで出会った「極彩IGL(S)」に感動し、その世界を余すことなく増幅させてくれたこの作品は最高。


2位『The Anchor』Alexandra Savior
The Archer
1月リリース。
彼女を説明するときにLANA DEL RAYの名前を出している人がいて、なるほど、と思った。気分の上がらないときによく聴いている。今年の春にこの作品があってよかった。


1位『FRAGILE』LAMP IN TERREN
FRAGILE(初回盤CD+DVD)
10月リリース。
夏から秋にかけて、こんな風に、普通のちいさな日常を歌ってくれる人を求めていたんだよ。


この10枚のほかにも、tricot『10』やリーガルリリー『bedtime story』をよく聴いた。女性ロックバンド強し。今年は季節ごとに感じ方が変わってしまったので、正直順位づけが難しかったが、現時点ではこんなところである。
好きなバンドを含め、フェスの常連バンドをほとんど聴かなかった。「これまでのフェス様式」を思い出してしまうからなのかな。最近はいっぱい人が集まっているライブ映像を見るだけで、うわあと思ってしまう。ただ単に、音楽に対してアガるマインドでいられなかったからかも知れない。
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夏に流行していたコンテンツを、初秋に披露したっていいでしょ?と厚かましく公開します。ほぼ本能むきだし。

【追記 10/31 9:30/17:30】
noteに掲載していた記事ですが、誤って削除してしまったためこちらに移動しました!バックアップ取っていてよかった。プレイリストに反映できない曲たちのYoutubeリンクを貼りました。


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