喪失感をにじませる音楽が好きだ。
喪失感が色気へと昇華された人間が好きだ。
わたしが別格で好きな人たち、つまりL’Arc-en-Ciel、GRAPEVINE、NEWSは、奇しくもメンバーの脱退を経験している。もちろんそんなことが好きでいる理由ではないのだけど、三者三様、偶然にしてはあまりに切ない共通点ではないだろうか。大袈裟と言われてもこじつけと言われてもなんでも構わない。正しさなんてもともと求めていない。
普通に生きていく上で、喪失感は絶対に不必要なものである。だけど、喪失感のにじみにはつい反応してしまうし、喪失感の吐露、あるいは昇華された表現にはつい注目してしまう。わたし自身に喪失がなくてはこの3組はきっと結びつかないだろう。これまで覚えた喪失感の中で最も大きなものって、なんだっけ。
思い至った答えが、阪神大震災だった。
20年前のこと。小1の冬。震度7を経験した。幸いにも、知ってる人は誰も死ななかった。
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